2021/03/15 04:57 ウェザーニュース
菜虫とはダイコン・カブ・ハクサイなどアブラナ科に属する菜類を食べる昆虫の幼虫の総称です。
厳しい冬を乗り越えた青虫たちが蝶になる頃ですが、今回は蝶にまつわる様々なお話をご紹介します。
その美しい羽で自由に飛び回れるようになるまで、一体どんな人生を歩むのか、モンシロチョウを例に見ていきます。
モンシロチョウは、青虫の大好きな葉の上に小さな卵を産みます。3~5日の卵期間を経て、卵から姿を現した幼虫は、立派な蝶になるべくもりもり葉を食べます。
9~11日間に渡って十分に栄養を蓄えた青虫は、サナギへと変化していきます。春〜秋であれば、約5~10日のサナギ期間を経た後、美しい蝶になることができます。外気温が下がる冬の場合はサナギで越冬し、次の春を待ってようやく蝶になります。
世代を繰り返す?
「ん?寿命が2週間?夏や秋にもモンシロチョウっているよね…?」
実はモンシロチョウというのは、1年の間に複数回の世代交代をしています。
卵から蝶になるまでの期間は、2か月に満たないくらい。そのため、春から秋にかけて4〜5回程の世代交代が可能となるのです。
昨年一番早くモンシロチョウが観測されたのは、佐賀の3月2日。一方、一番遅い観測となったのは、網走の5月22日でした。
西日本では、そろそろモンシロチョウが春を告げにやってくるかもしれません。
我々気象情報会社では、将来の天気を見据えた長期予報というものを出していますが、バタフライ効果は常に感じています。
昔よりも天気予報の精度は飛躍的に上がりましたが、やはり遠い未来の天気を予測するのは簡単ではありません。
天気予報というのは気圧、気温、風など、様々な観測データをもとに、大気の状態を予測して行われます。多くのデータを集めることで、よりきめ細やかな予報が可能となりますが、自然界を相手にしているため、そこには必ず誤差が生まれます。
誤差を限りなく小さくすることはできても、なくすことはできません。そのため、長期予報の場合は、その小さな誤差が後々大きな変化となって現れることがあるのです。
可愛らしい名前とは裏腹に、我々にとっては非常に厄介な現象です…。
そしてこれをさらに初候、次候、末候の5日ずつにわけて、気象の動きや動植物の変化を知らせるのが七十二候です。
二十四節気と七十二候は、その日だけではなく、二十四節気であれば15日間、七十二候であれば5日間の期間も指しています。
次回は、春分の初候「雀始巣(すずめはじめてすくう)」についてご紹介します。
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【参考・参照元】
木村龍治(2005)『気象・天気図の読み方・楽しみ方』成美堂出版
キッズgoo天気「モンシロチョウの一生」https://ift.tt/2TDuEE2
pteron-world「蝶の一生」https://ift.tt/2F6h7ed
愛知県HP「モンシロチョウ」https://ift.tt/2TD8Jgh
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
March 15, 2021 at 02:57AM
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七十二候「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」 寿命が短い・・・モンシロチョウの一生とは - ウェザーニュース
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