北陸 天気激変週間 上空の深い気圧の谷の通過で大雨や荒天も 極端な天気は続く
2023年9月3日(日)(日本気象協会)
今週の北陸地方は、大雨や荒れた天気に注意が必要です。恵みの雨が期待される反面、広範囲で大気の状態が不安定となり、局地的には低地の浸水や道路が冠水する程の激しい雨が降る所もありそうです。台風や秋雨シーズンはこのあとも続きます。大雨への備えを万全にするようにして下さい。
上空の太平洋高気圧の動向 5日頃から一旦弱まり南へ後退
週間天気図で示したピンク色の領域は、上空の太平洋高気圧の予想範囲を示しています。
このあと、この上空の太平洋高気圧は次第に弱まり南へ後退する見込みです。高気圧の縁には季節の境目である秋雨前線が顕在化、北陸地方を通過するでしょう。5日~8日頃にかけては広い範囲で降水が見込まれ恵みの雨となりそうです。
その一方、この期間は、地上の天気図には表現されない上空の気圧の谷が、深まりながら本州付近を通過する見込みです。下層には暖湿気、上空には寒気が流れ込んで、北陸地方は大気の状態が非常に不安定となるでしょう。雷雲が発達し、局地的には低地の浸水や道路が冠水する程の激しい雨が降る可能性があります。十分注意して下さい。
5日頃から秋雨前線が顕在化 前線南下型で局地的には激しい雨や雷雨も
5日頃には、日本海に季節の境目である秋雨前線が顕在化するでしょう。前線の通過に伴い、北陸地方では広い範囲で雨が降る見込みです。山地や山間部、山沿いを中心にまとまった降水となりそうで、雨の降り方には十分注意して下さい。
日本海には新たな低気圧が発生か 上空の寒気の影響で非常に大気不安定
8日には、日本海に新たな低気圧が発生する可能性があります。下層には暖湿気が流れ込み、上空には強い寒気を伴って、大気の状態が非常に不安定となる見込みです。雷雲が発達し、局地的には低地の浸水や道路が冠水する程の激しい雨が降る可能性があります。しばらくまとまった降水は観測されていませんでした。自宅周辺の排水が問題なく行われるかを予め確認して、短時間強雨に備えましょう。
新たな熱帯擾乱が発生か 本州付近には熱帯由来の暖湿気の流れ込みが続く
現在、南の海上に2つの台風が発生しています。台風11号に関しては北陸地方に直接の影響はなさそうです。台風12号は、3日9時現在、父島の北約270kmにあって、西北西へ毎時25kmで進んでいます。中心気圧は1000hPa、中心付近の最大風速は18m/sです。台風はこの後、熱帯低気圧に変わり、3日21時には八丈島の南約260kmに達するでしょう。北陸地方にも、熱帯由来の非常に湿った空気が流れ込む見込みです。
また、南の海上には、他にも対流が活発な領域があり、新たな熱帯擾乱が発生する可能性があります。周囲に多くの台風が存在すると、お互いの風に流されて複雑な動きをすることもあり、今後の動向に十分注意して下さい。
週間天気 猛暑日や熱帯夜からは徐々に解放される
4日は、はじめ晴れますが、西から天気は下り坂となる見込みです。5日~7日を中心に広く雨が降り、恵みの雨となるでしょう。ただ、大気の状態が非常に不安定となる見込みです。局地的には低地の浸水や道路が冠水する程の激しい雨が降る可能性があります。雨の降り方には注意して下さい。
8日は、日本海の上空に寒気を伴った低気圧が発生し、荒れた天気となる可能性もあります。天気の急変のおそれもあり、気象台などから発表される情報にも注意して下さい。
季節の境目にさしかかり、最高気温35度以上の猛暑日や最低気温25度以上の熱帯夜は徐々になくなりそうです。
番外編 ~梅雨の確定値~
気象庁は、令和5年の北陸地方の梅雨入りと梅雨明けに関して、確定値を発表しました。
梅雨入りは6月9日ごろ、梅雨明けは7月21日ごろと確定され、梅雨入りに関しては、速報値で6月11日ごろとしたものを、2日前倒ししました。
(河原 毅)
September 03, 2023 at 12:35PM
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