現在、ピークに達しているラニーニャ現象。日本では年末から厳しい寒さと大雪に見舞われている。ラニーニャ現象は3月以降、徐々に終息に向かう見通しで、ラニーニャ現象後の夏は暑さが厳しくなる傾向がある。
ラニーニャ現象はピークに
最新のエルニーニョ監視速報(2020年12月10日発表)によると、11月のエルニーニョ監視海域の海面水温は基準値より1.2度低く、前回(2017年秋~2018年春)に匹敵する規模に発達しています。
また、オーストラリア気象局(BoM)は12月22日、観測結果や各国の予測から、ラニーニャ現象はピークに達しているとの見方を示しています。
この夏はポストラニーニャ
この冬はラニーニャ現象が続く見通しですが、3月以降は徐々に勢力を弱め、ラニーニャ現象は終息に向かう可能性が高いです。この夏はラニーニャ現象が終わった後の夏になるでしょう。2000年以降、ポストラニーニャの夏は5年あります。
暑さが厳しい夏に?
全国的にみて、平均気温が平年を上回る暑い夏が目立ちます。前回、3年前の2018年は西・東日本で記録的な猛暑に見舞われました。関東甲信地方は過去最も早く、6月29日に梅雨が明け、その後、7月23日には埼玉県熊谷市で日最高気温41.1度を記録しました。
台風ラッシュと豪雨も?
また、2018年は豪雨や台風被害も深刻でした。7月は西日本豪雨、8月は台風が9個発生し、めまぐるしく大雨になりました。さらに、9月には台風21号による記録的な暴風や高潮で、関西国際空港が長時間にわたり閉鎖されるなど、近畿地方で大きな被害が発生しました。
極端すぎる天候に危機感
この年末年始は強い寒気の影響で、日本海側の広い範囲で大雪になりました。こちらはきょう(4日)と一年前(2020年)の積雪の状況を比べたものです。
1月2日までの3日間で降った雪の量は山形県大蔵村肘折で162センチ、新潟県十日町市で123センチ、鳥取県大山町で114センチに達しました。冬型の気圧配置が強かったため、日本海側だけでなく、四国山地や紀伊半島、東海地方でも雪が積もっている様子がわかります。
一方、昨年は大きく状況が違いました。北海道では大みそかに雨が降り、札幌では雪のない年越しと話題になりました。年が明けても雪不足は解消せず、オープンできないスキー場が続出、また各地の雪まつりの開催が危ぶまれる事態になりました。このような状況をみると、天気には頃合いがないのかとつくづく思います。
昨年(2020年)は猛暑が短く、台風の上陸もありませんでした。今年はその反動がないことを願うばかりです。
【参考資料】
気象庁:2020年の天候と台風のまとめ(速報)、2020年12月22日
気象庁:エルニーニョ監視速報(No.339)、2020年12月10日
オーストラリア気象局(BoM):Climate Driver Update、La Nina continues; may be approaching its peak、22 December 2020
January 04, 2021 at 01:58PM
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